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上場会社の社外取締役には「みちょぱ」を指名せよ 株主総会前に正しい企業統治とは何かを考える

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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一方、先生はこうもおっしゃった。

他社で経営の経験があって、この条件に当てはまる人がいればよいが、そういう人は、経営者を続けていることが多く、完全に独立した社外取締役となることは難しい。
また、学者は「第三者的」であり、条件を満たす可能性はあるが、実際は、金銭欲や名誉欲が強く、社長と対立すると、そういう評判が立ってしまい、政府の審議会の委員や他社の取締役候補から外れてしまい、将来の収入が減ることを懸念する可能性のある人が多い。

ということは、忖度なく、いつも素人として的確なコメントが言え、金(カネ)も十分稼いでいるから、ポストに執着しないだろう、みちょぱが最適なのではないですか?ということらしい。

なるほど。

私は、こう答えた。「しかし、みちょぱのような人は、みちょぱぐらいしかいない。だから、結局、適当な社外取締役候補は、現実にはそんなに余っていない。だから、社外取締役によるガバナンスで日本企業が良くなる、ということは現実には起こらない」。

なぜ日本の社外取締役の議論は間違っているのか?

そうなのだ。

日本の社外取締役の議論は、ほとんど間違っている。社外取締役を増やしたところで、劇的な効果などあるはずがない。そして、経営者としての専門性を期待したり、「社長の後継者を選ぶ指名委員会を社外取締役だけで構成しろ」、というような100%間違った議論が横行している。

社外の人に、人物の本当の価値を正確に評価できるはずがない。対外的評価と組織内での評価は異なるから、せいぜい両方を十分に考慮すべき、とするぐらいだ。

しかも、たとえば、2021年に起きた、東芝の一連のガバナンス騒動ではこんなことがあったことを覚えている読者もいるかもしれない。当時、アクティビストファンドが、中外製薬の名誉会長で東芝の社外取締役、取締役会議長だった永山治氏を、自分たちの思いどおりに動かないから、追放しようとした。そのとき、メディアの多くは、ファンドの味方をしたのである。

ありえない。彼ら(ファンド)は、特定利害に基づいているだけだ。

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