このように、NAR競馬とJRA競馬の一体化を進め、NARの重賞もJRAの重賞と同様に、国際的に扱われるようにしないと、日本のダート競馬の発展はない。いまやダート競馬のほうが芝よりも世界的には需要が高いのである。
北海道に「第3のトレーニングセンター」を
長くなったので、最後に提案だけ書こう。北海道に、茨城県の美浦と滋賀県の栗東に続くJRAの「第3のトレーニングセンター」を建設する。
JRAの札幌競馬場、NARの門別競馬場、どちらにもアクセスしやすい場所にする。ここの馬房は、JRA調教師たちには柔軟に割り当て、現調教師の下で修業し調教師を目指している、いわば副調教師的なホースマンを育てる機会とする(調教師は美浦、彼(彼女)は北海道勤務にする)。
さらに、このトレセンを地方競馬の調教師に開放する。ホッカイドウ競馬が中心にはなるだろうが、地方馬および地方競馬関係者の調教レベルアップの機会とする。
そして、現在のJRAの函館、札幌開催の期間を延長、開催日を増加させ、そのレースの一部をNARに開放し、現在よりも幅広い条件での交流戦を増やす。
NAR所属馬も長期滞在し、JRA調教馬も、夏の北海道滞在期間が長くなり、また北海道へ移動する馬も増加し、ホッカイドウの夏は競馬で盛り上げ、経済効果も大きくする。これを、7月のセレクトセールなどと連動させ、トレーニングセールも増やし、世界中のホースマンを夏の北海道に集め、その滞在期間も長くする。
短く書くはずが長くなりすぎたので週末のレースの予想を。6月2日に東京競馬場で行われる安田記念(第11レース、芝コース1600メートル、G1)は、セリフォス。単勝。
また、この週末から始まる2歳新馬戦は、6月2日東京5R予定の、もっとも有名な外厩、天栄の調教馬であるクライスレリアーナ(サートゥルナーリアの初年度産駒)。
ノーザンファーム生産、天栄調教、木村哲也調教師、クリストフ・ルメール騎手騎乗、というイクイノックスを生んだゴールデンチームだ。
東京競馬場などで新馬戦をするのも悪くないが、北海道での新馬戦を早く始めたい。本来ならこのレースも函館や札幌開催で、北海道にトレセンがあれば、多くの2歳馬が北海道でずっと調教を続けながらデビューできるようになる。北海道経済発展のためにも提案したい。
※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は6月8日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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