JRAの騎手も守られてはいるが(JRAのレースに出走したくてもできない海外の騎手は山のようにいるし、日本の地方競馬の騎手も難しい)、ほとんどの騎手がフリーになったことで、良くも悪くも騎手は弱肉強食の争いになり、JRA内部では激しい競争が行われている。
NAR競馬とJRA競馬の一体化を進めよ
一方、調教師においては、馬房制限というものがあり、JRA競馬に出走させる馬を入厩させる枠を限定することによって、すべての調教師がある程度食べていけるような制度になっている。
確かに、かつてに比べれば、馬房の配分にも競争メカニズムが働いてはいるが、限定的である。そのひずみがあるために、有力馬主たちは、JRAの調教師の下に馬を置かず、いわゆる外厩と呼ばれる、育成、調教牧場、施設に馬を預け、JRAの10日間ルール(出走前10日間はJRAの厩舎にいなくてはいけないという規制)に形式的に従って、馬の調整はほとんど外厩で済ませてしまっている。
このままでは、JRA調教師は馬房という既得権益を持っているだけの存在になってしまう。やはり、生産者、厩舎、騎手が一体となって馬を育てていくべきで、現状はひずみが大きくなる一方である。
そして、直近の最大の問題は、ダートレースは地方で多くの重賞が行われているが、これがほぼすべて日本国内でのグレード格付けしか得られていない、ということである。
例えば、種牡馬として成功しているホッコータルマエは、JRAでのG1は1勝だけだが、地方G1は9勝もしている。だが、この9勝のうち国際G1格付けを得ているのは、年末のレースである東京大賞典での2勝だけだ。
そのため、JRAとNARの勝ちを入れても、国際的には「G1で3勝しかしていない馬」になってしまうのである。だが地方G1も国際G1となれば、ホッコータルマエは「G1で10勝をあげた超スーパースター種牡馬」として世界に売り出せるのである。
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