「アメリカの裁判は早い」とは聞いていたけれども、なるほど本当に早かった。
「口止め料裁判」は7月11日に量刑決定、その他は?
ドナルド・トランプ前大統領をめぐる4つの刑事裁判のうち、第1陣となったニューヨーク地裁における「口止め料裁判」は、4月15日に初公判が行われ、5月28日には最終弁論に到達した。この間、わずか6週間である。
さらに5月29日からは、12人の陪審員による審理が始まった。12人全員の意見が集約できず、合意ができない場合は”Mistral”(審理無効)となる可能性もゼロではなかった。
ところが蓋を開けてみたら、12人の陪審員の意見はあっさり一致し、評議2日目の5月30日夕刻には、34の罪状すべてについて「有罪」の結論が出た。アメリカ大統領経験者に対する刑事罰の有罪は、もちろん史上初めてのこと。トランプさんへの量刑は、7月11日に裁判長によって申し渡される。ただちに控訴するだろうから、さすがに収監されることはない見込みである。
あらためて、トランプさんが抱えている4つの刑事訴追を整理しておこう。「口止め料」事件以外の3件は、トランプ陣営による遅延工作が奏を功し、秋の大統領選挙前の公判開始はかなり難しくなっているのが現状である。
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