つい先日、実に6年ぶりで上海に出張してきた。
コロナが明けたとはいえ、中国に入国する際には今はビザが必要になる。これを取得する作業がまことにシンドイので、今回は招待先の上海日本商工クラブさんに「アライバルビザ」なるものをご用意いただいた。
「ちゃんとした招待」でも、入国審査官はやたら神経質
虹橋(ホンチャオ)空港の「イミグレ」(入国審査)に向かう途中、体温検査のサーモグラフィーがある手前に、ビザ発給の窓口がある。
ここで持参したアライバルビザの書式を提出すると、10分ぐらい待たされるけれども、ちゃんとパスポートにビザを張り付けてくれる。この間、写真1枚と現金206元(約4120円)を用意する必要あり。
それでもイミグレの係員が、パスポートを神経質にチェックする様子には少々驚いた。筆者が最後に上海を訪問したのは2018年夏のことで、そのときの見聞もこの連載の「上海『シェア自転車』ブームはもう去っていた」(2018年9月1日配信)で取り上げている。
その頃はイミグレの雰囲気はきわめてあけっぴろげで、「さすがは上海、外国人に対してフレンドリーだなあ」と感心したことを思い出す。「彼は昔の彼ならず」、といったところだろうか。
思えば、あれからいろんなことがあった。特に2022年春の「上海ロックダウン」は、人々の心に深い傷跡を残したのではないかと思う。人口約2500万人という巨大都市が完全封鎖され、皆が「家から出られない」状態が2カ月間も続いた。ただしその頃には、新型コロナウイルスは弱毒型のオミクロン株に入れ替わっていたから、あそこまで「ゼロコロナ政策」にこだわる必要があったのだろうか。
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