他人にお金を使う人の幸福度が上がるカラクリ 他人と繫がる重要性が刻み込まれた人間の脳

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人にお金を使うことは勇気がいることですし、痛みを伴いますが、自分は相手を好きだから、あるいはこういう行動をするのが好きだからと、自分の行動に、肯定的な「大義名分」を与えることで、そのモヤモヤを解消しているわけです。

結果、満足感を得られているから、幸福度も上がっているとも考えられます。

人のために動くポイントは〝具体的〞

同種の研究は、たくさんあります。たとえば、ヒューストン大学のメラニー・ラッドらの研究[3]では、人は自分のためにする行動よりも、向社会的行動をして、それを達成するほうが幸福感を覚えることが分かっています。

ちなみに、ラッドらは、幸福度を上げるポイントは、「具体的に人のためになるような行動」をとることとしています。

単に「人類の幸せのため」とか「地球環境のため」とか抽象的なものにしてしまうと、その判定基準が自分の中になかったり、対象が大きすぎたりして、自分の行動で「目的を達成できたか」が分かりにくくなってしまいます。

そのような達成度合いがはっきりしない行動をしてしまうと、幸福度が上がりにくくなる結果が出ているのです。

このような研究で面白いのは、科学で裏づけられた事象が、昔から伝わっていることが珍しくない点です。

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