他人にお金を使う人の幸福度が上がるカラクリ 他人と繫がる重要性が刻み込まれた人間の脳
少なくとも、現代社会ならともかく、旧石器時代では無理があります。
人間が1対1では簡単に殺されてしまいかねない猛獣などの敵や獲物がいる社会で、生物界の覇権を握った背景には、集団生活の力があります。
コミュニティの力で生存競争を勝ち抜いてきた私たちの脳には、他人と繫がる重要性が刻み込まれています。
だから、人と触れ合うと幸福感を覚える仕組みになっていて、コミュニケーションをとると報酬系が刺激されて幸福感を覚えるのです。
人は、気持ちいいこと、嬉しいことは進んでやろうとするからです。他人のためにお金を使うのは、言ってみればより高度で、社会的なコミュニケーション。
実際にどれだけ意識しているかはともかく、少なくとも騙されやすい単純な脳にとっては、「お金を使った相手との関係性が深まっていくきっかけ」として感じられるわけです。
自分の行動に、肯定的な「大義名分」を与える
また、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーが提唱した「認知的不協和の解消」[2]という理由も考えられます。
認知的不協和というのは、考えていることと実際の状況の不一致で心がモヤモヤすることです。
普通に考えたら、他人のためにお金を使いたくないものですが、実際に使ってしまっている。そこにモヤモヤが生じます。
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