かつて某テレビ局が「面白くなければTVじゃない」と宣言した時代がありましたが、今は勢いだけでは無理かもしれません。ただ、面白いものづくりの取り組みが会社にもたらす「価値」を明確に見いだせれば、プロ経営者でも取り組めるのではないでしょうか。
たとえば、その価値として採用力の向上に注目してみてはどうでしょう。優秀で先端技術を極めたい人材(特に技術者)ほど、面白い仕事の有無を会社選びの基準にします。
面白くない仕事まで、頑張る人が出てくる
たとえば、ゲームやコミュニケーション系のアプリを開発するカヤック社。2014年に東証マザーズで株式公開した注目度の高いベンチャー企業です。会社組織ですが面白法人と名乗り、面白いと思えば事業化のゴーサインを出すという方針を打ち出しています。
さらに面白いと感じたにもかかわらず、撤退を余儀なくされたサービスも数多くありますが、この撤退サービスを自慢げに自社サイトで紹介しています。この発想に共感するエンジニアからの応募が引きも切らず、採用上では人気企業として高い知名度を誇っています。
ほかにも、面白いものづくりの取り組みを全面に打ち出すことで、採用力を高めた企業が最近増加しています。
ちなみに採用された人材が面白いものづくりをするために、”面白くない仕事“でも活躍して、企業業績が向上しているとのこと。会社の収益に十分な貢献をしてくれているようです。
面白いものづくりが収益を上げなくても、それをきっかけに採用できた人材が価値を生み出すケースではないでしょうか。
ちなみにソニーがリストラで人員削減に加えて、事業売却などの発表するたびに、人気企業ランキング上位から圏外などへ大きく転落していました。
業績回復だけでなく、面白いものづくりへの取り組みも強化しなければ、本当の人気回復は難しいのではないでしょうか。ただ、ソニー社内で面白いものづくりを続ける姿勢が、すべて失われたわけではないとも聞きます。日本の希望を背負う会社として、ソニーファンの期待に真に応える企業としての復活を、心から願っています。
(写真:尾形文繁)
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