ソニーが復活するための「2つの条件」 それでも支持する消費者に応えられるか?
「このテレビの薄さは、わずかクレジットカード5枚分です」(カナダ・モントリオールのテレビ局)
「1セント硬貨の3枚分しかありません」(メキシコのテレビ局)
1月6日から米ネバダ州ラスベガスで開かれた全米最大の家電市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」の一角にある、ソニーのブース。世界で最薄の4Kテレビがずらりと並び、各国テレビ局がリポートしている。
ステージの中心でテレビが1台、ゆっくりと回転する。来場者に向かって垂直に向いて、薄さ4.9ミリのフレームが見えた瞬間、カメラのフラッシュが一斉に放たれる。
ソニーのブースは、ほかの新製品も充実し、明らかに例年より活気に満ちていた。しかし、その舞台裏は、大変な修羅場だったに違いない。
サイバー攻撃の対応への厳しい非難
昨年11月末、ハッカーが子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)のシステムを攻撃し、同社の情報や文書が大量に流出した。
ハッカーは、SPE制作で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記の暗殺計画を描いたコメディ映画「ジ・インタビュー」を攻撃の理由にあげ、ソニーは大手映画館チェーンでの全米公開を見送った。しかし、この決断は、「言論の自由」を重んじる米国で、オバマ大統領をはじめメディアなどから激しく糾弾された。