ソニーが復活するための「2つの条件」 それでも支持する消費者に応えられるか?

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SONYの代表執行役社長兼CEOの平井氏 (撮影:尾形文繁)

ラスベガスのタクシー運転手らも、記者が日本人でCESに来ているとわかると、「テレビと言ったらソニーだ」と、口をそろえて言う。

これほど消費者がソニー製品を評価しているのに、ハッカー事件の消費者に対する説明不足のような事態が、なぜ起きてしまうのか。そして、大規模なリストラ、業績の赤字転落など、なぜ、ソニーは「一人負け」状態に陥っているのか。

米経済紙ウォールストリート・ジャーナル元記者で、過去にソニーの担当をしていたサンフランシスコ在住のジャーナリスト、ケイン岩谷ゆかり氏はこう言う。

「ソニーに起きたことは、不可避だった。全盛期の記憶にしがみついているのが長過ぎたし、パソコンやテレビ事業の売却・分離の決断も遅すぎた。刻々と変わる潮流の中で、進化し、先を読むことが出来なかった。一度成功すると、成功のもとがいつまでも成功と優位性を約束してくれると思い込んでしまいがちだが、テクノロジーの世界はそうではない」

「縦割り主義」が強いソニー

アップル社について200人超に話を聞き、『沈みゆく帝国』(日経BP社刊)を著したケイン岩谷は、ソニーも長く取材してきた。彼女によると、ソニーでは各事業部にスター社員がいて、ほかの事業部を犠牲にしてでも目標を達成しようという「縦割り主義」が強いという。

「しかし、韓国のメーカーなど挑戦的な競争相手との戦場が増えるほど、縦割り主義は足かせでしかない。今は、テレビでもゲーム機でも、製品を絞り込み、どんな消費者にも理解されるような、シンプルで、コアがあり、何にでも通じるアイデアに基づいた製品が求められる」

ソニーの「縦割り主義」は、CESの記者会見でも表れる。韓国のサムスン電子やLG電子の記者会見は、「モバイル」「スマートホーム」「テレビ」「白物家電」と柱がはっきりとわかるプレゼンだ。ひとつの柱にひとつの「スター製品」があり、印象に残る。

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