ソニー、「脅しに屈する選択肢はなかった」 平井社長、サイバー攻撃の背景を語る

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CES開幕前日、ソニーの戦略についてプレゼンテーションを行う平井一夫社長兼CEO(写真:ロイター/アフロ)

米ネバダ州ラスベガスで1月6~9日の日程で行われる世界最大の家電ショー「International CES 2015」。その開幕前日の5日に行われた記者ブリーフィングの席で、ソニーの平井一夫社長兼CEOは11月末に発覚したソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(SPE)へのサイバー攻撃に関し、記者団からの質問に初めてその口を開き、詳細な経緯を語った。

SPEへのサイバー攻撃が発覚したのは11月24日のこと。当時、たまたま米国にいた平井社長にもすぐに一報が入り、それからはSPEのマイケル・リントン社長、ソニー米国法人およびソニー・エンターテインメント(SPEとソニーミュージックエンターテインメントのホールディングカンパニー)のニコール・セリグマン社長と、毎日、欠かすことなくサイバー攻撃に対する報告を受け、その対応について話をしてきたという。

記者向けのスポークスパースン、もしくはステークホルダー(映画館や映画制作者)などへの説明は、リントンSPE社長が前面に立ってコメントを出してきたが、その背後ではソニーグループを挙げての対策を進めた。その経緯について平井社長は「時系列の順に話をしたい」と断って話を始めた。

平井社長が最終判断

「11月24日の発覚後、すぐに私への報告があり、その後、すみやかに米捜査当局はもちろんのこと、SPE社員に対しても報告をした。社員あるいは元社員の個人情報を、サイバー攻撃を行ったクラッカーがインターネットで公開したためだ」

その後の記者発表やステートメント発信に関して、SPE側が下敷きとなるプランを作り、その最終判断はすべて平井社長が行った。

「事件発覚後は、外部への情報発信はもちろんだが、法務、情報セキュリティ部門など、さまざまな分野で対策チームを編成し、本社の取締役会でもマイケル・リントンが来日して報告した」

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