6月23日、東京・品川で開催された、ソニーの株主総会。冒頭で平井一夫社長は、自身が就任した、2012年度から2014年度にかけての第1次中期計画が未達となったことを陳謝。パソコン事業の撤退やテレビ事業の分社化、本社や販売会社のリストラなど、一連の構造改革の実施について触れ、「スマートフォン(スマホ)以外の課題については、大型の構造改革をやり切った」(平井社長)と強調した。
そのうえで2015年度~2017年度にかけての第2次中期計画について説明。規模を追わない収益性重視の経営、各事業の自立経営、さらには「成長牽引領域」「安定収益領域」といった事業の位置付けの明確化など、基本姿勢を示した。「第1次の中期計画のテーマが変革ならば、第2次の中計のテーマは利益創出と成長への投資」(同)と株主に説いた。
脱・エレキの構造へと転換
ソニーは従来のエレクトロニクスの最終製品に依存したビジネスモデルから、イメージセンサーなどの電子部品、ゲーム、さらに映画や音楽など、“脱・エレキ製品”の収益構造へと大きく変えようとしている。
総会で会社側は、そうした将来ビジョンを強調したものの、株主からは、技術を利益創出につなげられていない現状を嘆く声などが続々と上がった。会社側の再建シナリオがまだ十分に株主に浸透していない状況が浮き彫りになった。
中にはOBの株主が近年の業績低迷の根因を平井社長に追及する場面もあった。ソニー経営陣が株主の信頼を得るには、何よりも今後の実績が不可欠となりそうだ。
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