Appleに先行、日本発「定額」音楽配信の勝算 サイバーエージェント藤田晋社長に聞く

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定額制音楽配信サービスの覇権を握るのはどこだ!?(写真:ZukkA / PIXTA)
海外では、すでにメジャーになっているサブスクリプション型(定額制。以降、サブスク)音楽配信サービスが日本でも続々誕生している。エイベックス・デジタル、ソニー・ミュージックエンタテインメント、LINEが共同出資した会社・LINE MUSICが運営する「LINE MUSIC」が6月11日に開始し、150万曲が提供される。2015年中に500万曲の提供を目指す。8月9日までは無料で、以後、月額500円で20時間まで聴けるベーシックプラン(追加は10時間で300円)と、月額1000円で時間無制限のプレミアムプランがある。ほかの同様のサービスには「スマホでUSEN」「dヒッツ」などもあり、「アップルミュージック」が6月末に登場予定だ。
こうした群雄割拠のサブスクの中、LINE MUSICとアップルミュージックより少し早い5月27日に開始したサービスが、「AWA(アワ)」だ。これは、エイベックス・デジタルとサイバーエージェントが共同出資して作ったAWA社が開発したAndroid/iOS向けアプリである。現在、数百万曲を用意し、2015年末には500万曲、2016年末までに1000万曲の提供を目標としている。
特徴は「プレイリスト」と「レコメンド」の機能で、〈ユーザーに「まだ知らぬ、でも好きな音楽」との出会いと、「好きだった音楽」との再会を実現し、音楽への関心を強く掻き立てます〉のだという。最初の3カ月間は無料だが、それ以後、月額360円か1080円のプランを選ぶ必要がある。アーティストに対しては再生回数に応じて報酬が支払われる。
6月10日、累計100万ダウンロードを突破し、利用者によって作成されたプレイリストは20万件を超えたという。サブスク参入にあたり、これまでの長きにわたるネットビジネス経験はどう生きるのか。サイバーエージェントの藤田晋社長に聞いた。

スマホが音楽の聞き方を変えた

――ネットビジネスではとかく「○○の時代」というキーワードが、その都度、語られがちです。2000年代前半は「ブロードバンドの時代」があって、以後「ブログの時代」や「誰もが情報発信できる時代」「ソーシャルの時代」「動画の時代」「生中継の時代」「キュレーションの時代」などさまざまです。藤田さんは、2015年の今現在のネットはどんな時代だととらえていますか?

やっぱり音楽・映像が来るんじゃないかと思っています。今やダウンロードで音楽を聴くのが当たり前になっていますし、こうしたサブスクも当たり前になっていくのではないでしょうか。私自身はこれまではiTunesで聴くスタイルでした。今はAWAももちろん使っています。私が聴くジャンルはものすごく偏っていまして、日本のヒップホップにかなり詳しいのです。リリースされたものは、ほぼ全部聴いているくらいです。

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