ソニー、新型「エクスペリア」が抱える不安 狙いの国内市場基盤固めはできるか
ソニーは4月20日、東京・品川本社でスマートフォンの新機種「エクスペリアZ4」の発表会を開催した。発表された新機種は、夏以降に国内で発売する見通し。海外の一部でも販売を検討しているというが、詳細は未定だ。
モバイル事業を担うソニーモバイルコミュニケーションズの十時裕樹社長は、「エクスペリアZシリーズの完成形だ」と強調。新機種を武器に、まずは国内市場の基盤固めを重視する姿勢を示した。
ソニーのモバイル事業は、2014年度上期に1760億円もの巨額減損を計上し、通期で2150億円もの営業赤字(2013年度は126億円の黒字)を見込む、不振の象徴とも言える部門だ。
「Z4」の三つの特徴とは
十時氏は2014年秋に同部門トップに就任。販売地域の見直しや商品モデル数の絞り込みなど、従来の拡大路線から縮小路線への転換を明言しており、その具体策への言及が注目されていた。
しかし今回、発表したのはあくまで新製品の特徴について。十時社長自身も、記者の囲み取材などに対し、販売地域の見直しやリストラの詳細については明言せず、「出発点は商品力。どうやってユニークなフィーチャーを入れて商品力を高めるかが、競争力の源泉だ」と、あくまで”商品力”にこだわる姿勢を強調した。
ソニーがこだわった新機種の特徴は三つある。一つは、アルミ板から削り出したメタルフレームを使用し、高級感を醸成したデザイン。もう一つは、高精細なフロントカメラの搭載で、よりきれいに自分撮りができるカメラ機能。さらに、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質を楽しめる、エンタテインメント機能である。
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