VAIOスマホは、本当に"ガッカリ端末"なのか 日本通信とVAIOの目指す事業モデルとは?

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外観はパナソニックの製品との差がない

2014年7月、ソニーから独立した「VAIO」。2月16日にはプレミアムクラスのパーソナルコンピュータ「VAIO Z」シリーズを発表して、他のWindowsパソコンとは異なる価値を提供できる力を持っていることを証明した。その注目度の高さは衰えておらず、国内市場におけるVAIOブランドの強さを再確認した。

そのVAIOが、仮想モバイルネットワーク事業者(MVNO)の日本通信と協業し、スマートフォンを開発していると聞いた時、VAIO Zシリーズとイメージが重ねて、こだわり抜いたハイエンドのスマートフォンが登場することを期待した読者もいたことだろう。しかし、3月12日に明らかになったVAIO Phone(VA-10J)は、VAIO Zとはまったく異なる性格のものだった。

結論からいえば、多くの報道は「ガッカリ」というネガティブなもの。実際、そうみられても仕方がない面がある。

端末スペックはAndroidの中級機

端末価格は5万1000円(税別)。VAIO Phone専用の料金プランを提供するSIMカードとセットで提供される。専用料金プランは2種類が用意され、音声サービス+1Gバイト分の高速通信サービス(1Gバイト超過分は200kbpsに制限)で月額2980円。データ通信部分の制限を解除したプランが3980円に設定されている。なお、この金額には端末料金を24カ月払いにした際の割賦料金が含まれる。一括購入した場合の通信料金は、それぞれ980円と1980円だ。

この料金プランに組み合わされるVAIO Phoneは、クアルコム製Snapdragon 410(1.2GHzクアッドコア)をメインプロセッサに、1280×720画素の5インチディスプレイ、2GBのメインメモリ、16Gバイトフラッシュメモリ、2500mAhのバッテリ容量といったスペックを持つ。サイズは141.5×71×7.9ミリで、重さは約130グラムだ。

このスペックは、パフォーマンスレベルはミドルレンジぐらいといったところだろうか。決して上位スペックの製品というわけではなく、VAIOが新会社でブランディングしてきた、高密度実装技術、放熱設計技術、それらにより鍛えられたデザイン力といったオリジナリティとは離れたイメージではある。

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