チームや人事の評価を「落とす」リーダーの共通点 メンバーのやる気を奪う残念なふるまいとは?

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これも、私が実際に苦しめられたリーダーの話です。

何か問題が発生するたびに、「報告がない」と怒るリーダーがいました。どんなに些細なことでも、メンバーの判断で進めると、後から「聞いてない」と怒りだすのです。

では、実際にそのリーダーに報告をするとどうなるかといえば、その場で何かを決めてくれるでもなく、メンバーにとっては、単に報告という「手間」が増えるだけなのでした。

場合によっては、「資料がわかりにくい」とか、「要領を得ていない」などと指摘を受け、報告にかかる余計なワークロードが増えていきます。

結果、メンバーは「報告業務」に時間を取られ、上司を怒らせないようにと、顔色ばかりをうかがうようになっていきます。

しかし、上司への報告は「内向き」の仕事です。ビジネスとして成果を出すのは「外向き」の仕事のはずです。外に対してバリューを発揮するからこそ、組織に貢献ができるのです。

過剰な報告ほど生産性を落とす「ムダな仕事」はありません。

メンバーを外で自由に活躍させる

「そんな話、聞いていない」「ちゃんと報告をしろ」が口ぐせになっているリーダーを見かけますが、その報告でメンバーの動きを止めている様は、「老害」に近いものがあります。老害とは、年齢に関係なく、いつまでも昔のやり方に固執している人のことです。

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このようなリーダーを何人も見てきて、私も嫌な気持ちを何度も味わってきたので、私がリーダーとして自分に課している禁句があります。それは、「聞いてない」です。これだけは、絶対に言わないように心がけています。

リーダーならば、メンバーの足を引っ張るのではなく自由に暴れさせ、何か問題が起きたら喜んで尻拭いに奔走するくらいの気構えが欲しいところです。

人のふり見て我がふり直せ、です。あなたはこのようなリーダーにならないよう、気をつけてください。

木部 智之 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社ディレクター

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きべ・ともゆき / Tomoyuki Kibe

横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了後、2002年に日本IBMに入社。数々の炎上プロジェクトの火を消し、エグゼクティブ・プロジェクト・マネージャーに。2018年よりパナソニックのソリューションビジネスの立ち上げに従事し、パナソニック コネクトのカンパニー役員を務めた。これまで、大小様々な組織やチームをリード。人材育成、リーダー育成にも力を入れており、社内外でビジネススキルやリーダーシップに関する研修やセミナーを実施。著書に、『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)、『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)、『超速PC仕事術』(東洋経済新報社)など。

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