人気ゲーム『龍が如く』プログラムチームの挑戦 技術責任者が語る「触って楽しいものに」

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グラフィックの強化も、プログラムチームに与えられたミッションの一つでした。実は『龍が如く8』のグラフィック向上の背景には、『龍が如く 維新! 極』での経験が活かされています。

先述したように『龍が如く』シリーズは、ドラゴンエンジンという内製のゲームエンジンで開発しているのですが、この『龍が如く 維新! 極』では『Unreal Engine』という汎用のエンジンを使いました。つまり、全く新しい環境で『龍が如く 維新!』を作り直し、『龍が如く 維新! 極』という新しいゲームを作ったんです。

伊東豊さん
(写真:エンジニアtype編集部)

 すると、今までの我々に足りていなかったものが見えてきました。その一つが、光の表現です。『龍が如く 維新! 極』ではUnreal Engineを使ったからこそ、昼の明るい環境下での光沢表現や、高度な被写界深度表現などをとても綺麗に表現することができました。

一方、『龍が如く8』はドラゴンエンジンで開発しましたが、「『龍が如く 維新! 極』で実現できた表現を『龍が如く8』にも取り入れたい」という相談を受けて、ドラゴンエンジンにライティングの新機能を加えたりもしました。

――なぜドラゴンエンジンがありながら、Unreal Engineで『龍が如く 維新! 極』を開発したのですか?

ゲームの「トリリンガル教育」

普通はそんなコストがかかることはしないですよね(笑)

それでもあえてこの選択をしたのは、我々がゲーム業界の変化に対応しなければならないからです。もしかすると将来、非常に優れた汎用のゲームエンジンが出てきたら、世の中のゲーム会社がみんなそれを使うようになるかもしれません。

そのときに「龍が如くスタジオ」がドラゴンエンジンしか使えない状態だったら、もうこの世界で戦えなくなってしまうかもしれませんよね。

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