人気ゲーム『龍が如く』プログラムチームの挑戦 技術責任者が語る「触って楽しいものに」

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これからゲーム業界や開発環境がどの方向に進むかはわかりません。だから「龍が如くスタジオ」の新人研修では、ドラゴンエンジンに加えて『Unreal Engine』『Unity』の3つのエンジンでゲームを作り方を学んでもらっています。

他の2つのエンジンを知ることで、ドラゴンエンジンをより良いものにすることができますし、ゲーム業界の方向性が変わったときにはいつでもついていけるでしょう。そのためのトリリンガル教育です。

伊東豊さん
(写真:エンジニアtype編集部)

――今後のシリーズの存続も考えて、幅広い経験を積ませる新人教育をしているのですね。

はい。ただ『龍が如く』を作る上で、ドラゴンエンジンは絶対に無くしてはいけないものですし、内製エンジンの開発は今後も続けていきます。

ドラゴンエンジンは『龍が如く』にとって必要な機能に開発リソースを集中していますし、何より新機能の追加スピードが早いのは大きなメリットです。汎用エンジンを使用している場合、サポートにメールして3日程度で返事が来るところ、隣のプログラマーに依頼すれば5秒で済みますから。この違いは大きいと思います。

だからといって「自分たちのゲームエンジンが最高だ!」と思ってしまうのは良くありません。特に我々プログラマーは「あっちの方がすごいぞ、もっと頑張らなくては」という危機感を常に持っているべきだと考えています。

自由な開発環境を支える「阿吽の呼吸」

――以前伊東さんがXで「細かいことを気にするよりは、プログラマーの誰もがストレスなく効率的に仕事ができることがベスト」とポストされていました。開発者にとって自由な環境があるのでしょうか?

そうですね。例えば一般企業や行政機関で使われるようなシステムは、不具合やトラブルを防ぐためにも細かいルールを守って開発することが大切なんだと思います。

ただ我々にとっての目標は「面白いゲームを作ること」なので、好きな環境や好きな書き方でプログラミングをすることによって効率が上がり、ゲームを面白くするための時間が増えるなら、それがいいんじゃないかというだけの話です。

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