人気ゲーム『龍が如く』プログラムチームの挑戦 技術責任者が語る「触って楽しいものに」

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 『龍が如く7』がRPGになることは決まっていたのですが、RPGといっても世の中にはさまざまな作品があります。プランナーも人それぞれ頭で描くものが異なっていたり、いくらミーティングをしても方向性が定まらなかったりした状況がしばらく続きました。

何かのきっかけになればと、私は「1時間ください」と言って資料を作り「技術ベースで考えるこれからのRPG」という提案をしました。

――「技術ベースで考えるこれからのRPG」とは?

『龍が如く』シリーズは、『ドラゴンエンジン』という内製のゲームエンジンで開発していますが、そこには、これまでシリーズが培ってきたアクションゲームの仕組みが全部入っているんです。人が吹っ飛んで壁に当たるとか、店の中に入って商品をめちゃくちゃにできるとか。

コマンドRPGになることでそうした機能が全部使われなくなってしまうことが、本当に悔しかったですし、もったいないなと思ったんですね。

それで「リアルタイムで殴ったり、物が壊れたりする仕組みを活かした、新しいコマンドRPGを作ってみてはどうですか?」という提案をしました。

例えばコマンドで「戦う」を選択しても、実際に攻撃がヒットしなければダメージにならない。吹っ飛んだ先に別の敵がいたら、その敵にもダメージが入る。そういう風に、アクションゲームのシステムでコマンドバトルを作ったら新しいものが生まれるんじゃないかと思ったんです。

開発画面
龍が如くのコマンドバトルは、内部的にはアクションゲームと同じシステムで動いている。ユーザーがコマンドを選択すると、攻撃モーションを再生し、実際にヒットしたかどうかを判定して、ダメージが入る仕組みになっている(画像の赤い部分が攻撃判定のある部位)(写真:エンジニアtype編集部)

『龍が如く』だからできるバトルシステム

 ――『龍が如く7』では、バトルシステムの刷新が新しいユーザーの獲得につながったそうですね。

はい、アクションバトルが苦手だった人にも『龍が如く』シリーズを遊んでもらえるようになったのは非常によかったです。ただ初めての取り組みだったので、完成度は決して高くはありませんでした。

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