人気ゲーム『龍が如く』プログラムチームの挑戦 技術責任者が語る「触って楽しいものに」

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私が所属していたのは『バーチャファイター』を作っていた部署だったので、格闘ゲームの開発技術を学ぶには最高の環境だったのですが、『スパイクアウト』はそれまでの1対1の格闘ゲームを多人数に拡張するという新しいプロジェクトだったので、ひたすら勉強と挑戦の毎日でした。

試行錯誤を繰り返して作り上げた『スパイクアウト』は、結果的に多くの方に支持していただいたのですが、それが大きな自信にもなりましたし、このプロジェクトによって自分自身がゲームクリエイターとしても技術者としても大きく成長することができたと思っています。

2つのチームが統合して生まれた

 それからしばらくして、私は『龍が如く』第1作目の開発終盤にチームに加わったのですが、当時はアーケードゲームの開発チームと家庭用ゲームの開発チームが統合されたばかりで、まだチーム全体としての一体感もなく、なんとなく居心地の悪さを感じながら淡々と仕事をこなしていました。

そんな中、バトルパートはアーケードチームのメンバーが多く、バトルシステムも『スパイクアウト』の技術を取り入れているということを知り、「ここなら自分の経験や技術を活かせる」と思い、バトルパートのプログラマーとして自分の居場所を見つけることができました。

それからバトルパートのプログラムリーダー、メインプログラマーを経てディレクターになり、「龍が如くスタジオ」の体制が刷新されたタイミングで技術責任者になったという経緯です。

――『龍が如く』シリーズは、2つのチームが統合されて生まれたのですね。

そうなんです。しかも初期の頃は、「アドベンチャーパートに強い家庭用チーム」「バトルパートに強いアーケードチーム」というようなイメージがチーム内にもあって、アドベンチャーパートとバトルパートのコミュニケーションも不足していたと思います。

初期の『龍が如く』シリーズは、街を歩いてるときに敵に出会うとロードが入ってモードが切り替わっていましたが、それは各パートごとに自分たちが作りやすい方法で作っていたからなんです。

伊東豊さん
(写真:エンジニアtype編集部)
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