人気ゲーム『龍が如く』プログラムチームの挑戦 技術責任者が語る「触って楽しいものに」

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 今はバトルチームとアドベンチャーチームに加えて、ムービーシーンなどを担当するイベントチームの3チームが存在していますが、チーム間の壁は全くありません。

そうなったのは『龍が如く6 命の詩。』以降です。バトルとアドベンチャーの本当のシームレスを実現するために、今まで連動していなかった部分をどうやってマージするかを話し合いました。それからシリーズを追うごとにどんどん組織が混ざり合い、特にプログラマーはほぼワンチーム体制で開発をしています。

40・50代のリーダー層が率いるチーム

――伊東さんのXのポストで拝見したのですが、プログラムチームは年齢層も厚いそうですね。

新卒を積極採用しているので若手も多いですが、リーダー層は40、50代です。私も50を超えていますが、年齢を感じたことはほとんどありません。新しいゲームで積極的に遊んでいますし、最新の技術もどんどん取り入れています。

むしろ『龍が如く』を作り続けて得たスキルや経験は財産であり、スピード感のある開発に役立っています。若手の提案に対して「その仕様は昔のシリーズで一回検討したけど、こういう理由でうまくいかなかったんだよね」ということを説明してあげられるのは、ベテランならではのことかと。

一方で、若手の存在によってシリーズが進化できた部分も大いにあります。

例えば最近は動画でゲームを楽しむ人も増えているので、「前作までは動画サイトで見て、今作から初プレイ」という方を想定して、画面上に常に操作説明を表示したり、動画によるチュートリアルを表示するようにしています。今の若い人たちがどうやってゲームを楽しんでいるのか、ということについては若手の意見がとても参考になりました。

「ゲームはプレイして面白ければそれでいい」というのは昔の話で、今は様々なゲームの楽しみ方があると思います。ベテランがキャッチできない情報を提供してくれたり、現代の価値観で提案をしてくれる若手の存在は、ありがたいですね。

技術ベースで考えるこれからのRPGとは

――『龍が如く8』の開発において、プログラムチームのミッションは何だったのでしょうか?

1つは、『龍が如く7 光と闇の行方』で取り入れた「ライブコマンドRPGバトル」の完成度向上です。

「ライブコマンドRPGバトル」とは、『龍が如く』シリーズが培ってきた従来の喧嘩アクションと、いわゆるRPGのコマンド操作を融合したものです。この新しいバトルシステムをどのように設計すべきかは、実はプログラムチームの提案によって生まれました。

伊東豊さん
(写真:エンジニアtype編集部)
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