人気ゲーム『龍が如く』プログラムチームの挑戦 技術責任者が語る「触って楽しいものに」

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実際、我々にはプログラムのコーディング規約のようなものはありませんし、自主性に任せている部分は大きいです。

――自由に開発をしてもらいながらも、スケジュールを守った開発ができるのはなぜなのでしょうか?

これはプログラマーの例になりますが、1週間後に実装の締め切りがあるとして、もちろん全ての作業が終われば良いのですが、なかなかそうは行きません。そういう場合にどう対応するかは各パートに任せています。

例えば締め切りのあとに行われる打ち合わせの目的が、ボスキャラクターの「動き」を確認することであれば、たとえ「見た目」が未完成であっても、そこまで大きなボトルネックになることはありません。つまり、何のために締め切りが設定されているのかを理解した上で、各パートが優先度を決めて開発することを、多くのプログラマーができているのだと思います。

特に細かい指示をしているわけではないのですが、15年以上ゲームを作り続けてきたからこそ、スタジオ内に「阿吽の呼吸」のようなものがあるのを感じます。

答えをくれるのはユーザーの声

――個人に大きな裁量が与えられているにもかかわらず、方向性がブレずにシリーズの世界観が守られていることに驚きます。

企画がFIXする前の段階で、プランナーやデザイナー、プログラマーのリーダー層を集めたブレストを行っていることも大きいかもしれません。

そこで各セクションのリーダーがそれぞれの立場で意見をぶつけ合い、徹底的に揉まれた企画が全体に共有されるので、メンバーに下ろしたときにも納得感があるんだと思います。最初から「みんなで自由にやってから後でまとめよう」は難しいでしょうね。

伊東豊さん
(写真:エンジニアtype編集部)

――プランナーとデザイナー、プログラマーの意見は、簡単にまとまるものなのでしょうか?

いえいえ、今でこそ目線が合ってきましたが、バラバラになりかけたこともありました。三者それぞれに大切にするものが違いますから。

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