「報酬や数値目標」の追求がもたらす残念な結果 数値化が誤った方向に組織や社会を導くとき

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グラフの前で顔をしかめるスーツを着た男性
ピーター・ドラッカーは「測定できないものは管理できない」と言いましたが、企業をはじめとした組織での数字に関する難題は、数量化が最も簡単なものを測定し、注目しがちになることです(写真:アン・デオール/PIXTA)
営業成績やボーナスの額、テストの点数、年齢や体重、レーティングや「いいね」の数など、私たちはなんでも計測し、数値化する世界に生きている。
しかし、私たちの脳は数字に無意識に反応してしまうため、数字はあなたを支配し、楽しい活動や経験をつまらないものにし、他人との比較地獄に陥れ、利己的で不幸な人間にしてしまうという。今回、過剰な数値化がもたらしているさまざまな問題を明らかにし、その解決策を示した『数字まみれ:「なんでも数値化」がもたらす残念な人生』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

報酬と結びつく数字のために努力する

数字まみれ: 「なんでも数値化」がもたらす残念な人生
『数字まみれ: 「なんでも数値化」がもたらす残念な人生』(東洋経済新報社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

被雇用者は、いちばん簡単に報酬と結びつく数字に喜んで努力を傾ける。それは、主要指標、応答時間、顧客満足度、低いエラー率など、さまざまなものに当てはまる。

企業と組織も同じことをする。大学は、学生たちに最も人気のある学習プログラム、最高の評価をくれる科学雑誌を優先させ、国際的なランキングと認定の測定パラメーターに合わせて、戦略を注意深く変えていく――なぜなら、政府からの補助金がそのような測定値と結びついているからだ

病院でさえ、ポイントシステムで最高の割り当てを得られる基準に応じて、患者、手術、治療介入の優先順位を決める。

病院そのものが、測定の乱用によって影響を受けていると思ったことはないだろうか? 

イギリスではなんと、新しい報酬制度に合わせて、患者を救急車の中で待機させる事態まで発生している。

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