「ボーナスがやる気を引き出す」と考える人の誤解 「外発的動機付け」が抱える深刻な問題とは

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数枚の一万円札と「賞与」と書かれた封筒と賞与支給明細書
ボーナスは短期的には社員のやる気を引き出すかもしれませんが、内発的動機付けではなく外発的動機付けに基づいた活動は、魅力に欠け、楽しみも薄れるそうです(写真:petapon/PIXTA)
営業成績やボーナスの額、テストの点数、年齢や体重、レーティングや「いいね」の数など、私たちはなんでも計測し、数値化する世界に生きている。
しかし、私たちの脳は数字に無意識に反応してしまうため、数字はあなたを支配し、楽しい活動や経験をつまらないものにし、他人との比較地獄に陥れ、利己的で不幸な人間にしてしまうという。今回、過剰な数値化がもたらしているさまざまな問題を明らかにし、その解決策を示した『数字まみれ:「なんでも数値化」がもたらす残念な人生』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

「自己定量化」に効果はあるのか?

数字まみれ: 「なんでも数値化」がもたらす残念な人生
『数字まみれ: 「なんでも数値化」がもたらす残念な人生』(東洋経済新報社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

スマートウォッチ、スマートフォン、無数の記録用アプリが手に入る今の世の中では、自己定量化の機会が誰にでもある。

自分自身に関するデータを記録することが日常的になり、それをテーマにした本とウェブサイトも、アプリも、無数にある。

私たちは、より細く、より健康に、より幸せになるために、より速く走り、より高い実績を上げられるように、自分自身の記録をとって監視するわけだ。

セルフモニタリングによって運動能力を向上させ、脂肪を減らせると考えている人は、アメリカ人全体の40%を超えている。

そこでごく自然に疑問がわいてくる。実際に効果はあるのだろうか? 自分自身についての数字をこうして継続的に監視していれば、ほんとうに、より細く、より健康に、より幸せになれるのだろうか?

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