「報酬や数値目標」の追求がもたらす残念な結果 数値化が誤った方向に組織や社会を導くとき

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新しい制度では、患者が病院に到着してから4時間以内に治療を受けないと、その病院は財政面で罰せられることになった

その結果――4時間の制限時間内に患者を治療できるめどが立つまで救急車が病院の外で待たされ、その列が長く続く状態まで見られるようになっている。

アメリカでは、患者の命を人工的に31日間維持する事例があった。手術後の患者の生存期間が30日を超えた場合のみ、病院が報酬を得られる制度のせいだった

食品廃棄の削減のために試みたこと

患者の例の後では、私自身の経験はとても些細なものにも思えてしまうが……私は10代のころ、夏休みにハンバーガーショップでアルバイトをしていた(どの店かは言わないほうがいいだろう)。

その店は持続可能を目指し、廃棄物の削減を目標としていたので、私たちは何かを捨てるたびに記録することになっていた(たとえば、揚げてから時間がたちすぎたフライドポテトや、作り方が悪かったハンバーガーなどを捨てると、いちいちノートに書き込まなければならない)。

ある年の夏の盛りに、店では人手が足りなくなったらしく、私が数週間にわたってこの方針を守る責任を負うことになった。

まだ経験も浅かった私は、その数字をできるだけ小さく抑え、見栄えをよくしなければいけないという大きなプレッシャーに襲われた

そのとき私がとった解決方法は? 古くなったフライドポテトや出来損ないのハンバーガーをすべて、ひとつ残らず自分で食べてしまい、何も捨てなかった! お腹はパンパンになった。

さいわい、私がその責任者になったのは2週間だけだった(ミカエル)。

警察や委託された企業が駐車違反切符を切る総合的な目的は、安全で環境にやさしい交通の流れを保ち、駐車してはいけない場所であると気づかせることだと思っているかもしれない。

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