私たちの記憶は非常に曖昧で、頼りないものです。自分の記憶とは違う内容でも、誰かに自信満々に言い切られてしまうとなんだかそんな気がしてきて、いつの間にか記憶がすり替えられてしまうことがあります。その具体例について、慶応義塾大学環境情報学部の今井むつみ教授が解説します。
※本稿は今井氏の新著『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』から一部抜粋・再構成したものです。
曖昧な記憶はトラブルのもと
「記憶は非常に頼りないものだ」ということを知っていると、役に立つことがあります。なぜなら、相手の言うことがあやふやでも、ときに間違っていても仕方ないと許すことができますし、それでイライラすることも減るからです。
また自分の記憶に頼らず、様々なことをダブルチェックするようになりますから、ミスも減ります。自分が間違っていたかもしれないと、素直に非を認めて歩み寄ることもできます。
とはいえ、いいことばかりではありません。私自身、そのために痛い目にあったことがありました。
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