自信満々に断言されると嘘でも信じてしまう理由 生成AIの「もっともらしい」誤回答にも要注意

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数年前、駐車場にバックで車を入れていたときのことです。横並びの駐車スペースに止まっていた車から女性が飛び出してきて、

「あんた、ぶつけた!」

と怒鳴ってきたのです。

私にはぶつけた感覚はまったくなかったのですが、相手は「ぶつけた」と言い張り、「ほら!」と言って、自分の車を指さします。

ぶつけた記憶はありませんでしたが、相手の指さした先にはうっすらと傷があり、「相手がそこまで言うのなら、ぶつけてしまったのかも……」と思いました。

相手のことを信じたというより、自分の「ぶつけていない」という記憶に、あまり確信が持てなかったのです。記憶の曖昧さに関しては、誰よりも知っているからです。

この世は「言い切った者勝ち」なのか

警察にも連絡しましたが、その対応は「保険屋さんで解決してください」というものでしたから、こうした事故は頻繁に起こっているのでしょう。

さて、私がつけたという傷を見ると、ちょっと塗装がはげて白い線が入っているくらいのものでした。それで、「数万円で済みそうだし、争うよりも保険で払ってしまおう」と引き下がりました。

後日、請求書が届きました。

そこに書かれていたのは、数十万円という金額でした。さすがにおかしいと思い、保険会社に確認すると、私が「ありとあらゆるところ」をぶつけたことになっていました。女性は、自分の車についた傷のすべてを、私の保険で修理しようとしたのです。

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