意識したいのは誰かに「搾取」されずに生きる道 ネガティブ情報をわざわざ伝えにくる人は注意

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たとえば、あなたが上司から「後輩の◯◯さんが、大きなミスをしていたよ。こんな初歩的なミス、ありえない。気をつけてと強く言っておいてね」などと言われたとします。

とはいえそのミスは、あなたからしたら小さいミスです。その上司は、ちょっと仕事がうまくいってなくて機嫌が悪く、後輩に当たっているような状況です。

さて、上司の言うとおりにそのまま強く伝えるでしょうか。

やんわりと、「間違えていたみたいだから、次から気をつけたほうがいいかも」くらいの注意ですます人も多いのではないでしょうか。

そうした行動を「そんなの嘘をついてる」という人は、ちょっと「嘘」について勉強しなおしたほうがいいかもしれません。

厄介な"ケンカの仲人"

一方で、次のような発言をそのままストレートに伝えてくる人についてはどう思うでしょうか。

「そういえば、昨日、◯◯さんがあなたのこと、気が利かない人って私に言ってきたのよ。私はそんなこと思わないけど。ひどいわよね〜」

こういう人の「言わなくてもいいのに、わざわざ言ってくる話」ってあったりします。

僕は、他人が言っていたネガティブな情報をわざわざ伝えてくる人のことを「ケンカの仲人(なこうど)」って呼んだりします。

「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ
『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

本人は「Aさんが言ってたことを、Bさんに教えてあげよう」という親切心のこともあるかもしれませんが、実際にやっていることは「AさんとBさんを戦わせている」だけです。

こうとらえると「ケンカの仲人」ではないでしょうか。

ネガティブ情報をそのままストレートに言う必要はないものです。「言わない」「黙っている」という選択肢もあるはずです

陰口を言われたことのない人なんて、多分いません。ディープな悪口か単なるいじりか、度合いはあるでしょうが、誰かからは絶対言われたことはあります。

だから、それをわざわざ本人に伝える必要はないと思うのです。知らないほうがいいこと、幸せなことってあるものです

「優しい嘘をつく」「黙っている」も、大事なコミュニケーションの方法だったりするんですよね。

「ケンカの仲人」には気をつける
藤野 智哉 精神科医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ふじの ともや / Tomoya Fujino

1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と精神科医としての知見を発信。著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事