「コロナ続いてほしい」普通高校脱落する子の本心 東海地方で30年働く先生が語った事(第3回)

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長年普通科の教員を務めてきたからこそ、実感のこもった意見の数々を投げかけてくださる鈴木先生。鈴木先生は、生活面だけではなく、勉強をするうえでの対面の重要性も感じているそうです。

一般的に通信制教育の利点としては、他人に強制されず、好きな時間に好きな科目の勉強ができるという利点が考えられますが、そうした「通信制」での勉強についても、自身の経験から、通信制で学校の成績が上がらない可能性があるという懸念を教えてくださいました。

先生のことが好きになって勉強を頑張る場合も

「生徒が勉強に対して意識を向けるようになるきっかけとして、科目ではなく、その科目の先生のことが好きになって、結果としてその科目の勉強が好きになることってあるんですよね。

たとえば、『理科が嫌いで、授業を受けるのがだるい。でも先生の話を聞いてたら、意外と面白かったから好きになっていった』といったことはあると思います。でも、通信制だとなかなかそれがないですよね。

自分の好きなことだけを突き詰めると、自分では考えていなかった刺激というもののが降ってこない。特にスマホにのめり込んでいると、自分が好きなもの・自分の趣味のものばかりをAIが推薦してくれるものだから、どんどんその傾向が強くなっていってしまいます。それだと、実はあまり勉強の成績は上がらないんですよね」

オンラインでのコミュニケーションだけで成績を上げることは難しいと、鈴木先生は感じているようです。

実際にそう思うようになったきっかけについてお聞きしたところ、鈴木先生の高校に通う生徒たちが、東京の大学生にオンラインで勉強を教えてもらったときのことを、話してくださいました。

「5年ほど前に、私の学校の生徒たち数名に対して、東京の大学生の方たちが、オンラインでコミュニケーションを取って勉強を見てくれたり、勉強のコーチングをしてくれる、という機会をいただいたことがあります。

熱心に指導してくれたのですが、オンラインだけではやはりなかなかうまくいきませんでした。『どう?勉強してる?』というような質問に対してスルーしたり、私生活で嫌なことがあったりすると、そもそもチャットを見ない、という生徒が多かったです」

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