「コロナ続いてほしい」普通高校脱落する子の本心 東海地方で30年働く先生が語った事(第3回)

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家にいることを強いられるコロナ蔓延中の環境は、しがらみを嫌う一部の生徒にとっては天国のような時間だったかもしれません。

今ではおとなしい生徒が多い鈴木先生の学校でも、「コロナ期間のほうがよかった」という生徒が少なからずいたようです。

コロナ、終わってほしくなかった

「世間では、コロナがほぼ収束しつつあるということで、『修学旅行に行ける』『友達と会って話せる』ということが強調されているイメージがありますが、もともと気質としていわゆる『陰キャ』な生徒が多かった、私が勤める学校では、コロナ前と全然変わっていません。

コロナのときから不登校気味なのが変わっていない生徒もいますし、コロナがほぼ収束してもずっとマスクをつけて、『感染なんてどうでもいいけれど、表情を見られたくないから』と言っている生徒もいます。『コロナ、終わってほしくなかった』なんてことを言う生徒は1人や2人ではありませんね」

コロナの収束を喜べない生徒も珍しくなかった、鈴木先生の高校。実際にコロナ禍真っ最中の時期や、それが終わったあとには、学校にはどのような空気感が漂っていたのでしょうか。

「感染者がピークの時期には『怖いから学校には行かせたくない』という親が多かったですし、それは許容されていました。それは当たり前のことですが、感染者数がピークをすぎてからも、生徒も、その親もひっくるめてまだそのような空気感が続いていたんです。2023年の5月にコロナが5類感染症に移行するころまでは不登校でもいいという空気感がありましたね」

鈴木先生は、不登校を許容する時代の流れが、通信制高校の流行を後押ししているとも考えています。

「私が若いときには、学校はカルチャー共有の場でした。学校という共同体に行かないと、流行っている漫画や音楽など、カルチャーの共有ができませんでしたから。学校に行かないということは『社会から完全に取り残される』という恐怖感があったんですよね。

でも、今の子にはそんなものは必要ありませんよね。SNSが発達しているから、カルチャーはネットのほうが吸収しやすいし、仲間も見つけやすい。むしろ、学校に行っても自分の趣味を共有しない子のほうが多いです」

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