しかしながら、同じ上司であっても、反抗する部下もいれば、しない部下もいます。ですので、上司に原因があるわけではありません。
反抗的になるのは、その若手の部下に「働きたくない」という目的があるから。
目的・目標が間違った方向、非建設的な方向にあるだけなのです。人間のどんな行動・感情にも目的・目標がある。
こう考えるのがアドラー心理学なのです。
また、怒りっぽい人で、こう発言する人がいたりします。「ついカッとなって怒ってしまった。あんなことを言うあいつが悪い」。
けれども、「カッとなって怒る」のは、相手が誰でもそうなるわけではないものです。
相手が女性や弱い人ならカッとなったとしても、上司や体の大きい相手ならどうでしょうか。「カッとなって怒る」ことはなかったりするものです。つまり、「怒る」のも相手しだいで、「目的」があるのです。
「怒る」ことの目的は、往々にして「相手を意のままに動かしたい」「相手を変えたい」などです。
人間の感情や行動には、「原因」があるのではなく、「目的」がある。アドラー心理学の基本といえる考え方に、こうしたものがあるのです。
100年たっても「新しい」
アドラー心理学は、100年たっても古びない、むしろ時代がますます追いついてきた感のあるものです。
アドラーは「横の関係」を大切にしていました。上下関係で人間関係をとらえることは、精神的な健全さを失うものと見ていたのです。この考えは、今の世の中にはとてもあった考え方なのではないかと思います。
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