心理的安全性を説く100年前のアドラーの教え アドラー心理学で一番大事な考え方とは何か

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共同体感覚とは、こういった共同体に対する所属感・共感・信頼感・貢献感を総称した感覚・感情のことです。

アドラー心理学では、この共同体感覚を多くもつ人を、「社会のために自分は何ができるか」「チームの仲間のために自分はどうすべきか」を考え、行動できる人だと考えます。

カウンセリングや教育における目標ともみなされ、健全な精神のバロメーターだともいわれています。

アドラー心理学はよく「貢献の心理学」といわれますが、それはこの「共同体感覚」を重要視している姿勢からきているのです。

人間は弱いから目標に向かって努力する

先ほども述べたように、人間は、個体としては「弱い」「不完全」な生き物です。「弱い」「不完全」という意識、それが刺激となって思考や精神を発達させることで生き延びてきたのが人類です。

人間は、鳥のように翼がないから飛行機をつくり、魚のように泳げないから船をつくってきました。

そのため「弱い」「不完全」を補うために、常に、「目標」に向かって努力する行動習性が人間にはあると考えます。

「目標とする姿」と「現状」にギャップがあるからこそ、その目標に近づこうと努力するのです。

人は誰でも進化の可能性をもっている。

目標に向かって努力する。

アドラーは、そう考えたのです。

この「目標に向かって努力する」という習性は、人間の振る舞いや感情においてもそうです。

例えば、ある若手の部下が上司に反抗してばかりだとします。この場合、上司が原因だという人がいます。

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