「学歴フィルター」早慶とMARCHの大きな差 ふるいにかける企業側の本音とは?
企業の人事関係者の話を総括すればこうだ。人気の大手企業は東大や早慶上智を中心にしつつ、GMARCHまで視野に入れている。一方、中堅企業はMARCHを中心に、それ以下の大学からも採りたいと考えている。Aさんの友人が応募した企業は前者であり、MARCHから採用しないことはないが、優先度は低いと見られていたということだ。
就活に対する意識を聞いても、早慶は強気な一方、MARCHの学生は「何とかエントリーシートは通るレベルにはある」と、競争率の高い超大手企業のフィルターにはギリギリ引っかかる程度という認識はあるようだ。
MARCH生の就活が景気変動に最も左右
言い換えれば、MARCHの学生が景気による企業の採用意欲の変動に最も振り回されるということ。総合商社の元幹部は「2008年のリーマンショック後に最も苦労したのが明治大の学生だった」と振り返る。
明大は2005年以降に志願者数を大きく伸ばすなど、勢いがあった。大手の人気企業への就職も増えた。そうした先輩たちの成功談を聞き、リーマン後の就活に臨んだ学生も強気で超大手に挑戦した。しかし企業の側は採用人数を大きく絞っており、MARCHを選考対象から外すことが増えていた。その結果、リーマン前のイメージで就活に臨んだ明治の学生がいつまでたっても内定を得られないという事例が続いたというのだ。
MARCHと早稲田、慶応を総称した早慶MARCHは、“ビジネスマン養成所”ともいわれ、日本の大学を語る上で無視できない存在となっている。2015年度入試の志願者数(延べ数)も約54万2000人と膨大だ。週刊東洋経済最新号では就職や出世の事情、入試の今、そして付属校の内実などに迫った。
HR総研の調査での数値に表れている通り、企業内でのポジショニングはともかく、MARCHは幅広い企業からターゲットとされている。同じく私学の“ボリュームゾーン”である早慶と合わせれば、企業にとって存在感の大きい大学群だ。ある程度ツブのそろった人材を大量に供給してくれるこうした大学は、企業にとって好都合な存在といえる。
東京大学には及ばないものの、就職後の「出世」でも早慶MARCH出身者は善戦する。“最強の同窓会”とも称されるOB・OG組織「三田会」を擁する慶応大、卒業生数で圧倒する早稲田大はもちろん、名門法学部を持つ中央大、そして明治大は、幅広い業界に多くの役員を輩出している。
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