「適切にもほどがある」若者が入社後に泣いたワケ ビジネスには「ビジネスの適切な価値観」がある
「ゆるブラ」企業の問題点
昨今、「ゆるブラ」の企業が問題になっている。「ゆるブラ」とは、ゆるすぎるブラックのことだ。若者がゆるすぎる職場に、成長の機会を奪われていると感じる。だからゆるすぎるのもブラックだ、という考え方である。
わかりやすい例で書いてみよう。
100点満点のテストで【80点】をとりたい生徒がいたとする。しかし、現在は【60点】ぐらいしかとることができない。そこでその生徒は塾に通いはじめたのだが、その塾の先生が、
「そんなに無理をして80点とらなくていいから。現況はできる範囲でいいよ」
という姿勢だったらどうか。他の生徒も、
「80点はとりたいけど、息抜きも大事」
「ほどほどに勉強して、うまくいけばいいし、うまくいかなくてもしょうがない」
という考え方だったら、
「この塾では、自分が成長できない」
と受け止めるだろう。体調が悪化するまで頑張るのはイヤだけど、頑張るときは頑張らないと、スポーツだって勉強だって、うまくいかない。そう思っている生徒も多いのである。
先述したドラマ『不適切にもほどがある!』にも、そのような「ゆるブラ」っぽい企業が登場する。まだ不慣れだからうまくいかないだけなのに、
「無理しなくていいよ」
「自分だけで抱え込まないで」
と周りからやたらと気を遣われるのだ。そういった職場の雰囲気に、1986年からタイムスリップした主人公は戸惑う。
とはいえ、昭和時代の価値観を肯定する気はない。
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