日本の半導体産業「世界から後れる」歴史的事情 日本の半導体産業は世界から取り残されている

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NVIDIA
日本の半導体産業は、世界の最先端半導体産業とは大きく違う(写真:Michaela Vatcheva/Bloomberg)
世界では半導体関連企業の株価上昇が目覚ましい。重要なのは、半導体そのものでなく、AIの目覚ましい発展と、それが引き起こす変化だ。日本は残念ながら、その流れから取り残されている。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第116回。

半導体関連企業が株価を引き上げている

日本、アメリカの株価が今年になってから急上昇している。その中心にあるのが、アメリカの半導体設計企業であるNVIDIA(エヌビディア)だ。

同社の株価は、2024年初の482ドルから3月5日の860ドルへと、1.78倍になった。2023年6月に1兆ドルを超えた時価総額は、2024年3月初めでは2.1兆ドルとなり、同社は、アマゾンやアルファベット(グーグル)を抜いて、世界第3位になっている。

半導体関連企業の株価急上昇は、NVIDIAだけのことではない。台湾の半導体受託製造企業TSMCの株価も、2024年初から3月初めまでの期間に、576ドルから1130ドルまで、1.96倍に上昇した。時価総額も7000億ドルを超え、世界第10位となった。

またオランダの半導体製造機器メーカーであるASMLの株価も、同期間に644ユーロから913ユーロに、1.42倍に上昇した。時価総額も3900億ドルを超え、世界第21位となった。

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