数学を使った世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は中学数学で学ぶ「ルート(√)」について解説します。
「ルート」とは何か
突然ですが、今回はこちらの問題を考えることから始めてみましょう。
問題:面積が9平方センチメートルの正方形の、一辺の長さは何センチメートルになりますか?
おそらく、これは皆さん頭の中で計算できると思います。答えは一辺3cmになりますね。では、もう一つ質問です。この面積が10平方センチメートルになるとどうでしょうか?
3cmよりは大きくなるのですが、一辺4cmになると面積は「4×4」で16平方センチメートルになるため、3センチと4センチの間の値になります。しかし、3.1センチや3.2センチで計算をしてみても、
3.1×3.1=9.61
3.2×3.2=10.24
となるため、その間の値になることしかわからず、答えにはたどりつけません。この問題を考える際に必要になるのが、「ルート(根号、√)」です。
このルートは、2乗した時にその値になる数のことを指します。先ほど、面積が9平方センチメートルの正方形の一辺の長さは3センチメートルだと計算しましたが、これもルートを用いると
ルート9 = 3
と表すことができます。つまり、面積が10平方センチメートルの正方形であれば一辺の長さはルート10となるのです。
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