欧州委、中国製EVの輸入に「税関登録」開始の焦り 補助金調査の結論待たず、相殺関税賦課に備え

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欧州委員会が補助金調査を開始した後も、中国製EVの輸入は増え続けている。写真はジュネーブ国際モーターショーに出展した上海汽車集団のEV(同社ウェブサイトより)

EU(欧州連合)の政策執行機関である欧州委員会は3月5日、加盟国の税関に対して中国製EV(電気自動車)の税関登録を開始するよう指示した。

この措置は、欧州委員会の調査によって中国製EVが(中国政府から)不当な補助金を受けていると認定された場合に、税関登録時点にさかのぼって相殺関税を課すためのものだ。同委員会は2023年10月4日から、EUに輸入された中国製EVに対する反補助金調査を進めている。

「欧州自動車産業に損害」と主張

中国で製造された9人乗り以下のEVが対象で、調査期間は13カ月以内とされている。その結論が2024年11月初旬までに出ることを見込み、上述の税関登録の実施期間は9カ月間とされた。

欧州委員会は声明で、中国のEVメーカーが中国政府から不当な補助金を得ている「十分な証拠」を確認したと述べた。それにより、中国製EVの価格が人為的に低く抑えられ、EU域内への大量輸出を通じてヨーロッパの自動車産業に損害を与えていると主張する。

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