欧州委、中国製EVの輸入に「税関登録」開始の焦り 補助金調査の結論待たず、相殺関税賦課に備え

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EVメーカーに対する中国政府の補助金について、欧州委員会は複数の具体例を挙げている。代表的なのは(地方政府などが地元のEVメーカーに対して)補助金をキャッシュで支給するケースや、土地・設備・サービスなどを合理的な水準を下回るコストで提供するケースなどだ。

欧州委員会は中国製EVのヨーロッパ市場への浸透に危機感を隠さない。写真は同委員会のフォンデアライエン委員長(欧州委員会のウェブサイトより)

そのほかにも法人税の減免や、EVを輸出する際の付加価値税の還付、EVメーカーに対する国有銀行の(事実上の政府保証による)融資および輸出時の信用供与などを、実質的な補助金と見なしている。

遡及的課税の必要性を強調

欧州委員会の調査の結果、不当な補助金によりヨーロッパの自動車産業に損害が生じていると認定された場合、中国製EVはEU域内への輸入時に相殺関税を課されることになる。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

しかし調査が始まった後も、中国製EVの輸入は増加し続けている。欧州委員会によれば、(調査開始時点の)2023年10月から2024年1月までの輸入台数は約17万8000台に上り、前年同期比14%増加した。

「ヨーロッパの自動車産業の損害は、調査が終了する前に発生する可能性がある。(看過すれば)この被害を取り戻すことは難しい」。欧州委員会は声明のなかでそう述べ、税関登録を通じた遡及的な課税の必要性を強調した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は3月6日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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