「今日の体育で、リレーのバトン落としちゃったの。私が落とすまでは一番だったのに、私のせいで負けちゃった……。もう学校行きたくない。みんなの顔見たくないよ……」
来週に控えた運動会のクラス対抗リレーを楽しみにしていた次女。練習でうまくいかなかったようで、落ち込んでいます。そこで、励ますつもりでこう声をかけました。
「わかるよ。ママもリレーのバトン落としたことあるよ。しかも落としたバトンに乗っちゃって派手に転んで、学校中から大爆笑されちゃったよ。でも、そんなの大したことないよ! ママだってその後も楽しく学校に行けたんだから! 大丈夫大丈夫!」
この言葉を聞いた次女、一層心を閉ざしてしまった感じがします。なぜでしょう……。
こんな相談を受けたことがあります。
いいお母さんですね。きっと明るく楽しいご家庭なのだろうと思います。
でも今回のケースには、実はアクティブリスニングで「ハマりがちな落とし穴」が隠れています。
親の「よくあること」は、子どもの「一大事」
前回のケースで、アクティブリスニングには「共感が大事」とお伝えしました。今回のケースでは、共感を示せているように思えます。
しかし、ここに「ハマりがちな落とし穴」があります。それは、安易に「わかるよ!」と言ってしまうことなのです。
親からすると数十年の人生経験から「些細な失敗」と思えても、子どもにとっては、「人生最大の事件」だと感じていることは少なくないものです。
子どもの頃を思い返してください。クラスメイトとの小さなケンカも、宿題をやり忘れてしまったことも、大事件に感じていませんでしたか?
しかも問題は、「わかるよ」「大丈夫!」これらのフレーズです。子どもを励ましたいときに、つい言いがちな言葉ですが、これも子どもにとって逆効果になる可能性があります。
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