子どもに「求められてない助言」をする親の勘違い 叱ったり、励ましたりするのが逆効果になる場合も

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簡単に「わかるよ」「大丈夫!」と言ってしまうと、「そんな簡単なことじゃない!」「親はどうせわかってくれない!」などと、共感ではなく「軽く考えているだけ」と感じられてしまうこともあるのです。この共感のようでいて共感ではない言葉が、子どもが心を閉ざしてしまう原因にもなりかねません。

共感+深掘りで気持ちが通じる

こんなときには、アクティブリスニングで話を聞くときに役に立つテクニック、「話を深掘りする質問」を使ってみるのがおすすめです。

今回のケースで深掘りする質問をしてみると、こうなります。

「それは辛かったね。ママも子どもの頃に似たような状況で辛い思いをしたことがあるよ」

これが最初の一言です。まずは「共感」ですね。「辛い」という気持ちに共感していることをはっきりと示してあげるのです。

気持ちに共感してあげた後は、「深掘りする質問」です。「辛いと思うのは、どうしてかな?」といった、内面を深掘りするような質問が効果的です。

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親から日常的に「共感+深掘り」で質問されている子どもは、自然と友だちと話をするときに、「共感+深掘り」のステップを踏むことに慣れていきます。親が子どもに「共感+深掘り」の順で話す習慣を身につけると、子どものコミュニケーション力も育つのです。

「共感+深掘り」は次のような応用も利きます。例えば、「習い事の練習をやりたくない」と言っているような場合。

「みんな遊んでるし、練習しないで遊びたいよね」といったように、まずは「やりたくないという気持ちはわかる」という共感を示します。

そのうえで、「でもせっかく半年頑張ってきたピアノの発表会が明後日あるんだから、今日は練習した方がいいんじゃないかな」と、しっかりと伝えましょう。共感したうえで理由を説明する方が、子どもは受け入れやすいのです。

柳澤 綾子 医師、医学博士

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やなぎさわ あやこ / Ayako Yanagisawa

医師、医学博士。東京大学医学系研究科公衆衛生学客員研究員、国立国際医療研究センター元特任研究員。麻酔科専門医指導医。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。公衆衛生学を専攻し、社会疫学、医療経済学およびデータサイエンスを専門としている。エビデンスに基づいた最新の医療、教育、子育てに関する有益な情報を発信。自らも二児の母であり、データに基づく論理的思考と行動を親たちに伝える講演や記事監修、執筆なども行っている。現在は株式会社Global Evidence Japan代表取締役として、母親目線からの健康と教育への啓発活動も精力的に行っている。

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