子どもに「求められてない助言」をする親の勘違い 叱ったり、励ましたりするのが逆効果になる場合も

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特に自分の子どもに対しては、親自身に子どもだった経験のない人はいないため、過去の自分の経験に基づいて、「子どもはこうでないといけない」「これをしてはいけない」などと、無意識の思い込みから「求められていないアドバイス」をしてしまいがちなのです。

アクティブリスニングで大切なことは、話をしている相手の状況や話の内容に理解を示し、共感してしっかり聞き込むことです。

ここに、話し手の話が正しいか間違っているか、いいことか悪いことかといったジャッジをするという行為は含まれていないのです(もちろん親として物事の善悪や危険な行動について指導しなければいけないという点を置き去りにしているわけではないので、ご安心ください)。

注意する前にまずは「気持ち」を要約

それでは、今回のケースではアドバイスの前にどのように答えたら良かったのでしょうか。ここでポイントになるキーワードが「パラフレーズ」です。

パラフレーズとは、アクティブリスニングの聞き方のテクニックの一つで、聞いた話をまとめて言い換えたり、要約したりする手法を指します。

今回のケースでは、叱りたくなるところをぐっと我慢し、まず話を最後まで聞きます。先日配信の「親子の会話は『子9割:親1割』がちょうど良い訳」で解説した原則と同じです。次に、パラフレーズの技法を使うと、こうなります。

「そうだったのね。みんなで一つのことで笑い合えて楽しかったね」

子どもが「楽しかった」と話していた内容を要約して、言いたいことを最後まで話させるのです。一通り子どもの話をしっかり聞いてあげた後は、「でも、下に人がいたらどうだったかな?」といったようにその行動が「客観的にどうだったのか」を聞いてみましょう。自分から「危なかったから良くないことだった」「次は気をつける」と言ってくれるはずです。

自ら考え、答えを見つけ出すこの過程が、コミュニケーション力を高め、自分で決められる子に近づくための一歩となるのです。

(画像:『自分で決められる子になる育て方ベスト』より)
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