中学受験が「早く通い始めた者勝ち」ではない理由 低学年のうちは「広い意味での勉強」がおすすめ
誤解4 有名大手塾に入塾させれば安心
4つめの誤解は、大手塾に入塾させれば安心だというものです。塾は、お金さえ払えば後は子どもの成績が勝手に伸びていくというような、夢と魔法の場所ではありません。
大手だから、有名だから、ブランドがあるから、人気があるから、合格実績がすごいから……といって決めると、失敗します。
塾は名前で選ばず、子ども本人に合いそうかを最優先
トップ塾の成績上位クラスに入れるのは限られた生徒だけですし、入れたとしても、そのクラスに居続けるのは大変なことです。有名大手塾に入塾すれば、みんな成績が上がるわけではありません。大事なのは、入塾してから、そこで習ったことをどれだけ吸収できるか、身につけられるかということです。
だから、塾は、お子さんに合った塾を選ぶことが大切です。近所への買い物や家族の送迎くらいしかしないのにスポーツカーを購入したら、扱いづらいですよね。でも、トップ校をめざすつもりがないのにトップ校をめざすための塾にわが子を入塾させるご家庭が、少なくありません。勉強する本人であるお子さんにとって合いそうな塾かという視点で選ぶことをおすすめします。
誤解5 第一志望に合格できるのは3人に1人
5つめは、第一志望に合格できるのは3人に1人という割合についての誤解です。
「第一志望に合格できるのは3人に1人」というのが定説です。多くの子が第一志望にするような学校の倍率が、だいたい2~4倍なので、そこから割り出された数字です。
でも第一志望に合格できる確率は、じつはもっと少ないのです。最終的に組んだ受験プランで、実際に受験する複数の学校の中の第一志望に合格するのは3人に1人くらいでしょう。でも、それはあくまで「最終的に」という話です。
中学受験勉強を始める前は、有名な学校にあこがれますよね?「有名大学の付属中に入れたらいいな」などと理想を思い描いて、中学受験塾に入塾するわけです。その理想の学校が本来の「第一志望」といえます。
でも、小5、小6と進級し、何回も模試を受けるにつれて、現実がわかってきます。そして小6の11月頃、どの学校をどんな順番で受けるかという受験プランを組むことになったときに、直近の模試の偏差値より10も20も上の学校や、過去問を解いても合格最低点に数十点も差がある学校は、受かるのは厳しいだろうと悟り、合格する可能性がある「現実的な」第一志望校を定めることになります。
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