中学受験が「早く通い始めた者勝ち」ではない理由 低学年のうちは「広い意味での勉強」がおすすめ
逆に、うまくいかない傾向があるのが、自分自身が中学受験を経験していて、その成功体験を子どもの受験に当てはめようとする保護者です。そうした親御さんは、塾の面談で、「この学校って今こんな偏差値なの?」と、自分の受験した時代と比べて驚いたり、「受験は暗記勝負なんだから、つべこべ言わずに覚えるの!」と、隣に座るわが子に発破をかけたりします。
学校の偏差値は株価と同じでどんどん変動する
学校の偏差値は、株価と同じように変動します。10年前とは別の学校のように変貌を遂げている学校が、いくらでもあるのです。私たちが子どもの頃には人気のなかった学校が、今や超人気校になっているというケースは珍しくありません。
受験のシステムや試験内容も変わっています。30年前のように知識を問う問題の比率は減って、思考力重視の問題が増えています。塾業界も、かつては存在しなかったSAPIXが絶対的なトップに君臨していますし、オンラインの塾はこの3年で急拡大して、対面授業専門の塾も映像授業配信を導入するようになりました。
中学受験をめぐる状況は目まぐるしく変わっていますから、「知っているつもり」が一番怖いのです。
誤解3 中堅校なら入れそうという見通し
3つめの誤解は、中堅校なら入れそうだと考えることです。「うちは、よそと違って、偏差値の高い学校じゃなくて中堅校に入れれば十分だから」と思ってはいないでしょうか?
中学受験塾の偏差値50は、高校受験の偏差値50とは意味が違います。中学受験は母集団の学力が高いので、偏差値50を取るのは容易なことではありません。
中堅校に合格するにも、小3の2月から中学受験専門塾に通って本気で勉強する必要があります。中には小5の冬期講習くらいから入塾して受験勉強を始めて、難関校に合格するような子もいますが、稀なケースです。
また、中学受験の内容は、大学を出ている大人でも、中学受験の内容に日々触れていない素人にはそう簡単に解けるものではありません。四谷大塚のWebサイトで『予習シリーズ』というテキストのサンプルを見てみてください。「これを小学生が解くの?」と衝撃を受けるはずです。
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