中学受験が「早く通い始めた者勝ち」ではない理由 低学年のうちは「広い意味での勉強」がおすすめ

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でも、年度の途中で募集停止になっても、年度が変わるタイミングで入塾できますから、焦る必要はありません。

エルカミノなどごく一部の塾を除いて、塾は一度入塾した生徒をふるいにかけて進級させないということはありません。そこで、低学年ほど募集人数を絞って、年度が変わるタイミングで新たに募集をかけるというわけです。

もちろん学年が上がるほど入塾テストのハードルは上がるものの、そのテストに合格できないようでは、入塾してから授業についていくのがそもそも困難です。

入塾するのが目的ではなく、成績を上げて志望校に合格することが目的なのですから、お子さんの学力と受験したい気持ちが入塾に見合うと判断できたタイミングで、入塾テストを受けるのがいいでしょう。

通塾で陥りがちな「お客さん」状態に要注意

最難関校の合格実績を売りにしている塾では、カリキュラムやテキストも最難関校に受かるためにつくられています。

そうした塾に、入塾ハードルの低い低学年から入り、小4、小5と進級していくと、「今、入塾テストを受けたら落ちるだろう」というような成績で通い続ける子も出てきます。授業内容を理解しきれずにただ塾に通うだけの、いわゆる「お客さん」状態です。

じつは、小中学校時代の私がそうでした。塾の授業をちっとも理解していないのに、それを親に言い出すことができず、授業中、ずっとノートにマンガを描いたり、机の下に隠しながら携帯ゲーム機で遊んだりして、授業が終わるのを待っていました。

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