「大谷翔平も使う計測機」を扱う開発者たちの正体 ミズノが実現した「野球データの民主化」

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「そうならないようにバッグの中に帽子のスペースを設けたバッグも作りました。またグローブを型崩れせずに収納したいという選手もいる。そういう選手のために上のほうにスペースを作ったりもしました。

そういう機能を付加したうえで、どう見えるかも考えないといけない、そして基本的なことですが、野球チームバッグは自立することが大切な機能になります」

まさに、野球のバッグは「機能の塊」なのだ。

ちなみに、メジャーリーガーはキャリーバッグで用具を運ぶことが多い。また用具の収納についての考え方も異なっている。こうした機能性へのこだわりも、日本野球ならではだ。

選手からニーズをすくいあげる

篠原氏などミズノのスタッフは、プロやアマの選手に細かくヒアリングをしたり、意見交換会などを通じてニーズをすくいあげている。

さらに、こうしたさまざまな「バッグへのこだわり」は、他のスポーツ用のバッグやビジネスバッグにも応用されている。

ミズノは、スポーツ用品メーカーから、人々の「スポーツライフ」に寄り添う企業へと変貌しているのだ。

社会の成熟、情報化によって、それが生き残りの大きなカギになっているのだと実感した。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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