さらに中田氏は「野球ボール回転解析システム『MA-Q』」を開発。
「投球データを『ブラスト』同様、BluetoothでiPhoneやiPadにデータを送信することができます。これまで、球速はスピードガンで計測していましたが、データを手書きでメモする必要があり、大変でした。
でも『MA-Q』は、極端に言えばキャッチボールでも球速、回転数、回転軸と変化量などのデータを録れます。内野手や外野手の送球もデータが録れます。据え置き型の機器より手軽なうえに、汎用性が高いんです」
「MA-Q」は、税込み3万2780円と手軽な価格でもある。
今永昇太が使う「モーションロープ」を開発
また、同じボールの形状をしたトレーニング用ボール「MOI-75」も開発した。
「コアの部分の組成を変えることで、回転がかかりやすくなったボールです。このボールで練習をすると指にかかる投げ方を習得し、回転数を向上することができるようになります。投手だけでなく、送球が不安定な野手にも使ってほしいですね」
さらに中田氏はトレーニング機器の「モーションロープ」も手掛けている。
「今年、カブスへの移籍が決まった今永昇太選手が使っていますが、結構重みがあって、しなるので、これを使うと一気に体が温まるんですよ。野球で使う体の各部位の可動域をひろげる効果があります。僕自身が素材を選び、コスト面なども含めて試行錯誤して開発しました。これまでアップはトレーナーと2人でやることが多かったのですが『モーションロープ』があれば、一人でしっかりアップができます」
中田氏は、端的に言えば競技の現場で「選手に寄り添う」スタンスだと言えよう。「競技人口」が減少している野球界にあって、その視点は非常に重要だ。
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