死んだアフリカ象の腸に潜った獣医が「見たもの」 体長7メートル、臓器もスケールが全然違った

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小
アフリカゾウ
獣医学部の先生と学生、動物園のスタッフ総勢十数名で行ったアフリカゾウの解体(写真:ニングル/PIXTA)
この記事の画像を見る(2枚)
みなさんは「獣医病理医」と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。
獣医病理医の中村進一さんが専門にしているのは、動物の体から採ってきた細胞や組織を調べて、「病(やまい)」の「理(ことわり)」を究明すること。要は「なぜ病気になったのか、どうやって死んだのか」を調べることを生業としています。
そんな中村さんの著書『死んだ動物の体の中で起こっていたこと』(ブックマン社)から、動物の生と死をめぐるエピソードを3回に渡って紹介します。

アフリカゾウを解体しに行くぞ

「おい、アフリカゾウを解体しに行くぞ」

ぼくがまだ獣医学部の学生だった頃のことです。関東地方のサファリパークでアフリカゾウが亡くなったということで、当時大学に非常勤講師として来ていた動物園の獣医師に誘われて、同級生たちと現地に向かいました。

すでに転倒による四肢の損傷が死因だと診断がついており、病理解剖というよりは骨格標本を作製するための解体が主目的でした。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT