東京・南青山の骨董通りに行列のできるレストランがある。名前は「中華風家庭料理ふーみん」。本作は、この店のオーナーのふーみん、こと斉風瑞(さいふうみ)さんを3年半追ったドキュメンタリーだ。
台湾人の両親を持ち、東京生まれ、東京育ちの料理人。1971年、25歳のときに神宮前に小さな店をオープン。以来、50年以上、店の味は人々に愛され続けている。
料理は高級な食材を使わないシンプルなものばかり。小腹がすいたときを想定した「ふーみんそば」、台湾で偶然出合った料理をまねた「ねぎそば」。のちにイラストレーターの和田誠の提案で「ねぎワンタン」も登場する。そして、人気メニューの納豆とひき肉の組み合わせを勧めた客の一言から生まれた「納豆ごはん」「納豆チャーハン」、夏バテ対策と母の味を組み合わせた「豚バラ肉の梅干し煮」など、彼女が五感で感じ取ったものすべてが料理となって具現化され、客に供されていることがわかる。
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