「政治とカネ問題」でサプライズ連発の岸田首相。政治資金規正法改正成立後の解散・総選挙を狙う。
「岸田さん本人のブラックボックス感が強まっている」──。
岸田文雄首相が腹の底で何を考えているのかをつかめない首相周辺から聞こえてくる愚痴だ。口さがない永田町雀は岸田氏を「行き当たりばったりの人」と言う。
岸田氏は本当にその場しのぎの宰相なのか。筆者の評定は少々異なる。想起すべきは、この間の政治資金規正法改正の与党案をめぐって、難航した自民、公明両党協議のプロセスにある。それこそ岸田氏の腹は決まっていたからだ。
当初から自民党案の出口は決まっていた。立憲民主党など野党が強く求める企業・団体献金と政治資金パーティー開催の禁止は絶対にのまない。この2条件を堅持して公明党との実務者協議に臨んだ。
それでも公明党案①使途を明らかにする義務のない政策活動費の 全面透明化②政治資金パーティー券の公開基準額を現行の20万円超から5万円超に引き下げ──を拒否、10万円超と明記した独自案を単独で国会に提出した。
公明の自民への譲歩を確信
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