第213回通常国会が26日、召集され、自民党の巨額裏金事件をめぐる「政治改革」国会がスタートした。これに先立ち自民党は25日、「派閥解消」などを明記した「中間とりまとめ」を決定したが、「踏み込み不足でその場しのぎの内容」との指摘が多く、国民的批判も避けられそうもない。
野党側は、結束して自民党総裁の岸田文雄首相ら同党幹部の「政治責任」を厳しく追及する構えだ。ただ、各党それぞれが提起する改革の具体案では必ずしも足並みが揃っておらず、政治資金規正法の改正などをめぐる今後の与野党協議も混迷必至で、6月23日までの会期150日間の攻防は、「衆院解散も含め、何が起こるかわからない展開」(自民幹部)となりそうだ。
「金・人事」から決別も「派閥全廃」に踏み込めず
自民党は25日午後の臨時総務会で、裏金事件を受けて年明けに設置した「政治刷新本部(本部長・岸田首相)」による「中間とりまとめ」を正式決定した。焦点となった「派閥」については全廃にまでは踏み込まず、「金・人事」から決別することで、「本来の政策集団に生まれ変わらねばならない」として、派閥による政治資金パーティーの全面禁止などを明記するにとどめた。
「とりまとめ」はまず裏金事件について「党として真摯(しんし)に反省し、国民に深くおわびする」と謝罪。事件を引き起こした安倍派幹部らの立件見送りを踏まえ、「あるべき政治責任について結論を得る」と党則に基づく処分などに取り組む方針を示した。
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